レーザ加工におけるアプリケーションのすべてに言えることですが、
レーザ加工を検討する際に最初に検討しなければならないのがレーザ発振器です。
レーザ発振器の選定における条件には、波長、出力、パルス幅、発振モード(連続波、パルス波)があります。
これらの条件から、アプリケーションの条件を満たすためのレーザ発振器の条件を導出する必要があります。
① 出力(W)
レーザ光の出力が高いほど、
① 加工速度が向上
② 加工深さが深くなる
③ ビーム分岐が可能
④ 発振器の価格が向上
⑤ 製品サイズが大きくなる など
② 発振モード(連続波/パルス波)
【連続発振の特徴】
① 出力値を連続して発振
② 加工は熱加工になる
③ 高出力を得やすい
④ 溶接や切断に多く使用されている
【パルス発振の特徴】
① 出力値をパルス状に発振
② 熱的影響を抑えた加工ができる
③ 繰返周波数やパルス幅との関係で加工条件を 導出する
必要がある
④ 微細加工など熱的影響を回避する加工に向いている
③ パルス幅(S)
【パルス幅の加工への影響】
パルス幅とは、パルスレーザから発振された
1パルスあたりの時間幅のこと。
① パルス幅が短いほど熱影響が少ないが加工量が少ない。
② パルス幅が長いほど熱影響が出やすいが加工量が多い。
④ 波長(nm)
【波長と加工の関係】
波長が長い赤外線レーザ加工は、熱的な要素が大きく熱加工が支配的である。
これに対し、波長が短い紫外線レーザ加工は、アブレーション加工とも呼ばれ、非熱加工が支配的である。
以上を踏まえて、レーザ発振器の選定方法をみていきます。